目次
はじめに
奈良の龍田大社を訪問しました。
近くの法隆寺駅方面に鎮座している廣瀬大社と併せて、風と水の神様(風水の神様)とされます。
鳥居をくぐった後の参道は、玉砂利が敷き詰められており、
とてもいい音がし、爽やかな気分にさせてくれます。
では、龍田大社を見てきましょう!!
祭神
参考:龍田大社ホームページ(https://www.tatsutataisha.jp/index.php)
祭神名
天御柱命
志那都比古神。男神。
国御柱命
志那都比売神。女神。
天御柱命/国御柱命とは
神産みにおいてイザナギとイザナミの間に生まれた神。
天と地の間即ち大気・生気・風力を司る神様で、「風の神様」です。
ご神名の「御柱(みはしら)」とは「天地万物の中心の柱」とされ、別名の「志那(しな)」とは「息長(長寿)」を意味し、「気息の長く遠く吹き亘る」と解釈されます。
天御柱命/国御柱命は天地宇宙の万物生成の中心となる「気」を守護(まも)ってくれる、幅広いお力のある神様ということです。
御由緒
参考:龍田大社ホームページ(https://www.tatsutataisha.jp/index.php)
社格
式内社(名神大社)、
二十二社(中七社)の一社。
旧社格は官幣大社
現在は神社本庁の別表神社
二十二社
龍田大社は、神社の社格の一つである二十二社の中七社の1社です。
国家の重大事、天変地異の時などに朝廷から特別の奉幣を受けた神社を指します。
由緒
創建の由緒
今から約2100年前、第十代・崇神天皇(すじんてんのう)の時代、国内に凶作や疫病が流行し騒然としているなか、天皇の御夢に大神様が現れ「吾が宮を朝日の日向かう処、夕日の日隠る処の龍田の立野の小野に定めまつりて…」という御神託を授けられました。その通りにお社を造営すると、作物は豊作、疫病は退散したと伝えられ、これが当社の創建とされています。
<延喜式・龍田風神祭祝詞より>
また、聖徳太子が法隆寺を建立する際に、竣工の安全を祈り龍田大社に日参したという言い伝えがあります。建立後、法隆寺の守り神として龍田大社の分霊を斑鳩町に祀ったそうです。
(現在の斑鳩町の龍田神社と言われています)
社是
龍田大社のホームページから確認しました。
風の神様、始まりの神様を奉斎す。
当社創祀に回帰すべく、意(こころ)して、参拝者の祈念に応え、個々の心の安定をはからしめ、渾然一体真の意(こころ)の形成に寄与し、以って大道泰平に貢献す。人は天地五行の気を禀(う)け、以って生を成すにより、一心自ら各々五気の徳備わり、五行の大過不及により五徳を発揮成す事能(あた)わざるに至る。然れば五行を以って大過成す人には之を抑え、不及成す人には之を助く事に努むる。
国史への登場
国史では、天武天皇4年(675年)4月10日に勅使を遣わして風神を龍田立野に祀り、大忌神を広瀬河曲に祀ったと『日本書紀』の記述が初見とされます。
天武天皇が祭祀制度を整えていた時期ですね。
『神社のいろは 続』でも紹介されています。
訪問記
一の鳥居・参道
一の鳥居
龍田大社の一の鳥居と社号標です。
左から見た、龍田大社の鳥居です。
一の鳥居のアップです。
龍田本宮と掲げられています。
鳥居をくぐった後の参道です。
小石が敷き詰められた参道で、歩くととてもいい音がします。
手水舎
手水舎です。
柄杓は撤去されており、竹から水が出てきます。
手水舎の隣です。
石が囲われていました。どういった謂れがあるのかは不明です。
参道
参道です。玉砂利が続く参道を一直線に進みます。
綺麗な道ですよね。拝殿を背にして、入口を見ています。
途中、このような場所もありました。
拝殿・本殿
拝殿
拝殿です。
手前に灯篭と狛犬が鎮座しています。狛犬はよく見ると変わった形ですね。
ちょっとだけ、アップしてみます。
狛犬、如何でしょうか。
拝殿です。奥に鳥居が見えますね。
とてもしっかりしています。お参りする左右に、縄が巻き付けてあります。
ちょっと変わっていますよね。
拝殿を右から見た写真です。
拝殿の天井はとても複雑な構造になっているようでした。
また、拝殿の右側に2つ目の社号標がありました。
協心も印象的ですね。
こちらの歌は、難波宮から龍田路を通って平城京へ還ってくる峠越えの際に読まれたと考えられています。「桜の花がキレイであるため、風が吹かないように龍田の神様へお願いしよう!」という趣旨の歌です。(高橋虫麻呂 作)
本殿と摂社・末社
本殿が拝殿を通して見えます。
手前に1つ屋根があり、その奥に2つの社殿が建てられていることが分かります。
2柱の神様がいるため、2つの本殿があります。
本殿前(拝殿裏)には、近づくことができないようになっています。
下記の2つの写真が目で見える範囲です。
本殿の左手には摂社が鎮座しています。
奥から、龍田比売命社、及び龍田比古命社です。
龍田の地名はとても古く、神武天皇の即位以前に遡るそうです。
土地の周辺の氏神様が上記の2柱です。
本殿の右手には末社が鎮座しています。
奥から、天照大御神社・住吉大神、枚岡大神・春日大神、高望王妃社となっています。
(三社共に、創建年代は不詳とのこと)
高望王は平家の祖先とのことです。
関係する神社の記事は下記です。
住吉大社です。
枚岡神社です。
その他の摂社・末社(境内)
白龍神社・龍田恵比須神社・三室稲荷神社への入口は、拝殿の左手に入口があります。
下照神社は、虹のみちの近くに鎮座しています。
白龍神社
由緒
縁結び・浄難災難除けの神様。
江戸末期から明治末期まで、御神域に白蛇として現れ信仰されていましたが、一夜にして姿が見えなくなりました。その後、明治41年春、突如にごり池(現在の北葛城郡広陵町(きたかつらぎぐんこうりょうちょう)に白龍として出現されましたので、この地にお迎えし、お祀りしました。
龍田明神のお使え神結びの神、浄難・災厄の神として女性の方々の信仰が篤く、安産祈願をされる方が多いそうです。
社殿
社殿の入口です。
鳥居を越えると、拝殿のようなものがあります。
拝殿を越えると、磐があります。
コロナ禍の関係により、水は現在は出ていません。
龍田恵美須神社
由緒
鎌倉時代兵庫県西宮市の西宮えびす神社より御分霊を勧請(かんじょう)したそうです。
やがて江戸時代には荒廃していましたが、昭和62年に復興したそうです。
商売繁盛、福徳開運以外にも、家庭円満の守護神として崇敬されているとのこと。
社殿
龍田恵比須神社の鳥居です。
こちらが恵比須神社の社殿です。
参考:西宮神社
三室稲荷神社
由緒
鎮座時期は不明ですが、商売を営む方の崇敬があるそうです。
社殿
入口の鳥居です。
このような可愛らしい石も・・・。
賽銭箱の奥に、社殿があります。
賽銭箱の横に石畳があり、前まで行くことができます。
下照神社
祭神
大國主大神
祖神霊 ※基本的に本社は祖霊社です。
社殿
社殿の入口です。
鳥居の奥は太鼓橋になっています。
社殿の周りは、水に囲まれています。
龍の庭
社務所の裏、拝殿の右手奥に龍の庭があります。
龍の庭近くの入口です。
こちらは、龍の庭の「龍碑」です。
池のようなものも、造られていますね。
もう1つ、入口があります。
簡易的な鳥居ですね。
虹のみち
虹のみちと呼ばれる、公園のような場所がありました。
中には、遥拝所がありました。
伊勢神宮・皇陵・諸社への遥拝所です。
虹のみちへの奥には、龍の像と池があります。
また、もう1つ入口があります。
惟神(かむながら)とは、神代から伝わる神様の御心のままに、という意味だそうです。
(ちょっと、お寺っぽい!?)
そして、神社の由緒書きやHPには掲載されていないお社が鎮座しています。
立野氏を引き継ぎ龍田大社の社家となった、安村家の邸内社です。
竜田藩主の片桐且元から、大和川を航行する魚梁船(やなぶね)の支配を申し付けられた家です。
(※魚梁船は、龍田大社の「瀧祭」で供える魚を取る場所が「やな」と呼んだことにちなみます。
大和側の甕の瀬を挟んで上流を航行していたそうです)
境外の関連地
神奈備神社
御由緒
神様が住む森、という意味で神奈備です。
神南備、神名備、甘南備、神名火などの当て字があるそうです。
各地で神奈備に纏わる万葉歌が22首あり、三輪・飛鳥と共に龍田も有名です。
万葉歌
巻八 1419(鏡王女)
神奈備の 伊波瀬の杜の 喚子鳥(よぶこどり)
いたくな鳴きそ 吾が恋まさる
巻八 1466(志貴皇子)
神名火の 磐瀬の杜の 霍公鳥(ほととぎす)
毛無しの岳(おか)に 何時か来鳴かむ
(※磐瀬の杜は下記を参照)
社殿
神奈備神社の入口です。
急な階段になっており、小さな山(神奈備)となっています。
上に登ると鳥居があります。
小さな手水舎があります。
こちらが神奈備神社の社殿です。
鳥居と社殿です。
岩瀬の杜
三郷駅から龍田大社とは逆側へ線路沿いに向かいます。
途中、龍田の山も見れます。
こちらが磐瀬の杜の入口です。
両側の木に、注連縄が巻かれています。
こちらが磐瀬の杜跡です。
上記でも紹介した歌碑が置かれています。
※呼子鳥は、かっこうでなにか、と言われています。
※磐瀬の杜の他の推定地は、斑鳩町・三室山の東にある車瀬の杜です。
※鏡王女は舒明天皇の孫で、天智天皇に愛されたとされる女性です。藤原鎌足の嫡室になります。
御朱印
御朱印
龍田大社の御朱印です。
社務所・その他
御朱印はこちらの建物です。
社務所の前に、このようなレトロなものが。
不思議な印象を受けました。
近くにはこのような方位石も・・。
住所・地図
住所
本殿
〒636-0822 奈良県生駒郡三郷町立野南1丁目29−1
磐瀬の杜
〒636-0822 奈良県生駒郡三郷町立野南3丁目1
龍田大社への行き方
JRの三郷駅で下車します。快速は停車しない駅です。
駅前の道(北側)を右手に進みます。ローソンがあるため、先へ進みます。
川があると左へ向かいます。
そうすると、看板があるため、看板通りに進みます。
坂を登って行きます。途中で神奈備神社があります。
また看板があります。左に曲がって更に坂を登ります。
そうすると、龍田大社へ辿り着きます。
徒歩で10分程度とありますが、体感的に15分程度です。
最後に
龍田大社をご紹介しました。
風の神は龍田、大忌神は廣瀬、と言われたうちの龍田大社です。
※廣瀬大社はこちらでご紹介します。
龍田大社は、風の神と言われるだけあって、参道はとても爽やかでした。
神様が降臨したとされる場所には今回は行けず、でしたが、別の機会に行きたいと思っています。
もし行かれることがあれば、岩瀬の杜も含めてぜひ。
駅からすぐですよ。
では、皆様にもよいGOENを!
そして、1日でも早く旅と写真が楽しめる日が来ることを!
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