目次
はじめに
大阪府内のある一宮4社のうちの1社。
枚岡神社を訪問しました。
大阪と奈良の境にある生駒山近辺の麓に建立されています。
一宮にふさわしい、素晴らしい神社でしたので、ご紹介します。
元春日と言われて、春日大社創建時に枚岡神社から神様が勧請されています。
藤原氏も頼った、当時に力の強かった枚岡神社。
どんな神社か気になりませんか?
後編として、神津嶽本宮もご紹介します。
祭神
(1)天児屋根命(あめのこやねのみこと)
(2)比売御神(ひめみかみ)
(3)経津主命(ふつぬしのみこと、斎主命)
香取神宮から勧請されています。香取神宮の詳細はこちらを参照ください。
(4)武甕槌命(たけみかづちのみこと、建御雷命)
鹿島神宮から勧請されています。鹿島神宮の詳細はこちらを参照ください。
社格・ご由緒
社格
式内社(名神大社)、河内国一宮。
旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。
大阪の一之宮神社
住吉大社
坐摩神社
枚岡神社
大鳥大社
ご由緒
神武御東征の砌、神武天皇の勅命を奉じて、天種子命(あめのたねこのみこと)が平国(くにむけ)(国土平定)を祈願するため天児屋根命・比売御神の二神を、霊地神津嶽(かみつだけ)に一大磐境を設け祀られたのが枚岡神社の創祀とされています。
(枚岡神社のホームページより)
元春日とは?
藤原氏が春日大社を創建する際に、(1)天児屋根命(あめのこやねのみこと)と(2)比売御神(ひめみかみ)を勧請しています。そのため、元春日と言われています。
下記の本によれば、藤原氏が枚岡神社の神様を勧請することで、枚岡神社に関する豪族を取り込もうとしたのではないか、と考えられているようです。
訪問記
一の鳥居
枚岡駅から離れた街中に、一の鳥居があります。
すぐ近くに、お神輿をしまってある格納庫もありました。
一の鳥居から神社に向かうと、とても険しい坂があります。
坂の手前に一の鳥居があり、山の麓に神社が建立されていることがわかります。
枚岡神社入口
枚岡駅の上本町方面のホームを出た場所に枚岡神社へ通じる階段があります。
元春日という石標も建てられています。
キレイな木が生えています。
二の鳥居から参道
枚岡駅からの階段を上ると、社号標と二の鳥居があります。
二の鳥居です。
参道です。
参道の途中に、由緒書きや神事の案内がありました。
こちらは、神事の案内です。
粥占い神事やお笑い神事って面白いですよね。粥占い神事は諏訪大社でもありましたが珍しいです。
参道を上ると、少し広い場所に出ます。
参道広場と言います。
手水舎
手水舎です。
アップしてみると、鹿になってます。
香取神宮から神様が勧請されているのも1つの要因なんでしょうね。
拝殿手前まで
注連縄の下をくぐります。
この注連縄は、鳥居の役割をしていると言われます。
お笑い神事も、こちらの注連縄をかけ替える際に行われているそうです。
橋の手前には、なで鹿さんがいらっしゃいます。
左側の鹿は、親子連れ、とれも優しい雰囲気です。
橋の上からの景色はこちらです。
橋を渡って、階段手前を右に行くと、禊場があります。
中々、珍しいですね。
入口の注意書きはこのようになっています。
拝殿・など
正面に戻って、階段を上がります。
割と急な坂になっています。
拝殿です。
アップです。
拝殿の裏になります。
横手には、瓦が置かれていました。
拝殿の右手に授与所(お守りなど、御朱印は別)があります。
御本殿前の中門です。直接、入ることができないようになっています。
少し遠くから・・・。
本殿は2020年2月現在で工事中のようです。
照沢池です。
御神木です。屋根のあるところです。
台風の影響で、3mを残して切り取られてしまったそうです・・・。
遥拝所
神津嶽本宮、伊勢神宮、橿原神宮への遥拝所があります。
※拝殿は西向き。東にある神社を遥拝する形になります。
摂社・若宮社
若宮社です。
祭神:天押雲根命
天児屋根命の御子神。春日大社等においても若宮として祀られます。
『中臣寿詞』では天の二上に登って皇御孫尊の御膳水をとったとする伝承が記述される。社殿左奥には「出雲井」と称される井戸がある(一説に出雲井町の地名の由来)(Wikipediaより)
白水井
元はお水がわいていたそうですが、現状では水は出ていません。
末社 天神地祇社
白水井から階段を上ります。
元々、境内にあった19末社と合わせて、氏子近郡の村の氏神としてお祀りされていた神々を合祀されたものです。
<地域の社>
出雲井村の八坂神社、豊浦村の春日神社・東山神社、額田村の額田神社・若宮八幡宮社・山神社・蛭児神社、五条村の八幡宮社、客坊村の一杵島姫神社、四条村の春日神社・素盞鳴命神社、松原村の春日神社・八幡宮社等
<境内社>
椿本社(猿田彦神)、青賢木社(天磐立神)、太力辛雄社(天手力雄命)、勝手社(受鬘神)、地主神(枚岡社地の地主神)、笠社(風神)、住吉社(住吉明神)、飛来天神社(天之御中主命)、岩本社(岩本明神)、佐気奈辺社、一言主社(一言主神)、坂本社(山王権現)、素盞鳴命社(素盞鳴命)、八王子社(王子八神)、戸隠社(天八意思兼命)、大山彦社、門守社(櫛石窓神・豊石窓神)、角振社(角振神)、官者殿社(素盞鳴命の荒霊)
お社です。
枚岡梅林・他
天神地祇社を過ぎると、梅林に続いていきます。
ただ、梅輪紋ウイルス感染のため残念ながら平成28年にすべて伐採されました。再生へ向けて計画途中とのことです。
現在は、とおり抜けができません。神津嶽には、下記の鶏鳴殿横から向かいます。
ただ、上記看板からの見晴らしは素晴らしかったです。
梅林の近くにも、鳥居がありました。
楠正行(くすのきまさつら)公にゆかりのある井戸とのこと。
※楠正成(太平記で有名なくすのき まさしげ)の子
鶏鳴殿
拝殿から左に進みます。
鶏鳴殿と拝殿の間に渡り廊下があります。
鶏鳴殿です。
御朱印を頂けます。その他、拝殿に入るための待合所としても利用されているようです。
御朱印
2種類の御朱印をいただけます。
枚岡神社の御朱印と、神気(しんき)御朱印です。
神様の力を借りて、ヒト本来の力を取り戻すのですね。
「神気(しんき)とは、神様ご先祖様から授かった命の奥にあるもの。
これがお衰えると、ケガレ(気枯れ)て病気になる。
我々の先祖は、山や社に入って大いなる神様の気をいただき、弱った気を元の気に戻した。これが元気。」
住所・地図
大阪府東大阪市出雲井町7番16号
行き方
枚岡神社
近鉄奈良線の枚岡駅が最寄り駅になります。
駅舎に枚岡神社にかんする提灯が飾られていました。
なんば・上本町方面からの場合、逆側のホームに行く必要があります。
地下道がありますので、そちらを利用できます。改札のすぐ目の前にありますよ。
地下道を出てすぐに枚岡神社に通じる階段があります。
一の鳥居
枚岡駅を降りたあと、奈良方面のホームの真ん中くらいから坂道を下ります。
小学校があるため、左側に曲がります。
(写真の奥が駅にあたるため、写真のアングルでは右に曲がったことになります)
真っすぐ進むと、第一の鳥居が左手に見えます。
参考資料
神社百景です。住吉大社と共に取り上げられています。
定期購読はこちら!
一宮に興味のある方へ。
さいごに
とても気になっていた、枚岡神社をようやく訪問することができました。
創建が神武天皇時代までさかのぼる、とても由緒のある神社です。
そして、本宮を含めて山岳信仰を現在に伝える神社でもあります。
そして、粥占い神事、お笑い(注連縄張替えをする)神事もあり、他の神社と比べてもとてもユニークです。
枚岡神社から眺める景色もキレイで、私は元の気を取り戻せたと思います。
ぜひ、神気を得に訪問してみてください。
後編もどうぞ。
では、皆様にもよいGOENを!
『古事記』・『日本書紀』ではこの神について中臣神・中臣連等祖・中臣上祖と見え、天照大神の岩戸隠れの際に太玉命(忌部氏祖神)とともに神事を行なったことや、瓊瓊杵命(邇邇芸命)の天孫降臨の際に五部神(五伴緒)の1神として従ったことが記されている。
『新撰姓氏録』では河内国に多くの中臣系氏族が見えるが、そのうちの平岡氏(平岡連)が当社の奉斎氏族とされる。
天児屋根命と並ぶ比売神は、天児屋根命の配偶神になる。祭神とする文献上初見は承和3年(836年)条。文献上で具体的な神名は知られないが、社伝では天美豆玉照比売命(あめのみづたまてるひめのみこと)とする。