目次
はじめに
大阪・堺の南の和泉市は北信太に鎮座している、信太森葛葉稲荷神社を訪問しました。
安倍晴明神社のつながりとして、葛の葉姫の出身地とされる神社です。
安倍王子神社にも、摂社として葛の葉稲荷が鎮座していましたね。
では、信太森葛葉稲荷神社を見ていきましょう。
御祭神
宇迦御魂神
稲荷神社の神様です。
出雲関係の神様(恐らく合祀された神様)
大己貴命
出雲大社にも祀られる大国主命です。
大宮姫命
神祇官で祀られた天皇守護の八神のうちの一柱。女官の神格化された神様と言われます。
素盞男命
出雲大社の本当の主祭神とも言われ、八坂神社でも祀られる疫病除けの神様です。
猿田彦命
天孫・瓊瓊杵尊を先導したとされる道開きの神様です。
若宮葛ノ葉姫
安倍晴明の母親と言われる、葛の葉姫です。
信太森の出身とされます。
信太森葛葉稲荷の導きで安倍保名と出会ったとされています。
御由緒
神社の由緒
和銅元年(708年)二月初午の日に元明天皇が楠の神木の化身である白龍に対して祭事を行ったことを縁起としています。
信太森神社はその神木を御神体とした神社と言われているそうです。
葛の葉の伝説
安倍清明の父親である安倍保名と、母親である葛の葉姫との出会いと別れの伝説です。
信太森葛葉稲荷神社は、葛の葉が去った信太の森と言われています。
昔、大阪阿倍野の里に安倍保名という若者がいました。
家の再興を念じてこの信太の森の稲荷へ日参していました。
ある日、お参りを終えて帰ろうとすると、一匹の白狐が走り寄って来ました。
狩人に追いつめられて助けを求めてきました。
保名は、草むらにキツネを隠し狩人達と争いになりました。
傷を意識を失った保名が気が付くと、一人の美しい女性に介抱されていました。
名は葛の葉といいました。数日後、保名の家へ葛の葉が訪ねてきて二人は心を通わせ夫婦となり、男の子が生まれました。しかし、幸せは長くは続きませんでした。
この子が五つとなった秋、子供に添い寝していた葛の葉は眠っているうち、神通力を失ってキツネの正体を現せてしまいました。目覚めた子供はそれに気づく。
もうこれまでと葛の葉は口にくわえた筆で歌を書き残して去りました。
その歌は、
「恋しくは たづねきてみよ 和泉なる
信太の森の うらみくずの葉」
夫と子供に宛てたものです母を慕って泣く子を背にした保名は妻の名を呼びながら信太の森に来てみると、以前は見えなかった葛の葉っぱが社面一面に群がり茂っていました。
信太森葛葉稲荷神社のHPより(http://www.kuzunohainari.com/?page_id=7)
神社にあった、説明書きです。
ご参考まで。。。
その他
明治42年に近隣の神社が合祀されたそうです。
出雲系の神々が祀られているのは、そのためと想定されます(エビデンスなし)
訪問記
鳥居・入口
鳥居
第二の鳥居と第三の鳥居です。
(第一の鳥居は、下記の地図にある行き方を参照してください)
こちらは、第三の鳥居です。
鳥居には、張子のキツネさん、子授け守、厄除の御祈祷、心願成就の絵馬が紹介されていました。
神社入口付近
第3の鳥居をくぐって少し歩くと神社に到着します。
地車庫のシャッターには、安倍晴明神社の御朱印でも見た和歌が書かれていました。
「恋しくは 尋ねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」
こちらは、境内の見取り図です。
末社がかなり多いことが分かります。稲荷神社らしいですね。
参道・本殿
神社の入口
信太森葛葉稲荷神社の入口です。手前に鳥居があります。
他の神社でいう楼門的な役割でしょうか。
鳥居が並んでいます。
手水舎
入口の楼門をくぐると、1つ目の鳥居の右手に手水舎があります。
岩に竹がさしてあります。そこから水が流れています。
参道
更に鳥居をくぐって進みます。
石の鳥居があります。
神社の名前がかかっています。
葛葉の絵です。奉納されたものだそうです。途中に飾られていました。
本殿
最後の鳥居と本殿です。
本殿です。手前に狛犬ならぬ、キツネが座っています。
お参りしました。
本殿を少し斜めから見てみました。
こちらの本殿の奥に、白狐石(石に白狐の身を写した石)、及び御霊石(葛の葉が安倍保名の許から帰ってきた際に石に化した)が安置されているそうです。
本殿の後ろです。
千木のアップです。ところどころに青空が見えていました。
楠木側の通路です。こちらにも鳥居があります。
御神樹
樹齢二千年余りの楠木だそうです。夫婦楠です。
第65代天皇である、花山天皇が熊野行幸の際に、「信太森千枝の樟」と名付けられたそうです。
そこから、千枝(=知恵)の楠木と言われているそうです。
楠木の根元です。2本になっていることがわかります。
和泉市指定の天然記念物になっています。
楠木の根元には神様が祀られています。
夫婦楠のため、2柱が祀られています。
1柱目の神様です。
楠木大明神:白竜の神様
2柱目の神様です。
楠本大明神:白狐の神様
楠木を後ろから見た写真です。
楠木と本殿です。
その他見どころ
江戸時代の境内の風景とのことです。
楠木の前にある和歌の碑です。絵も含めて和歌推しです。
子安石です。子授けのご利益があるそうです。
姿見の井戸です。
白狐が美婦人「葛の葉姫」と化した際に鏡の代わりに姿を見たとされる井戸です。
白狐化身の木と言われています。隣に井戸があります。
梟(ふくろう)の灯篭です
千利休作と言われています。
摂社・末社
信太森葛葉稲荷神社には、末社が68あります。
そのうち2つは、楠に祀られており、残りが66です。
全ては紹介できないため、一部のみご紹介です。
楠木龍王二柱大神
葛姫大神
厳島大神:足の神様
阿部大神、楠宮大神:知恵の神様
小玉大神:子供の神様
石切剣箭大神:できものの神様
石切剣箭神社に関係した神社と思われます。
吉廣大神:水商売の神様
鳥居があります。他の摂社・末社とは趣が異なります。
お社です。
お社の前に川(?)があり、隣に不動明王が鎮座しています。
葛葉姫大神、白瀧大明神:扁桃腺の神様、白長大明神、末広大神
京春大明神、瀧壺大明神:首から上の神様
千代丸大神:出世の神様、千代一大神:出世の神様
ご利益にあやかりたいものです。
格賀明神:道案内の神様
葛葉大神・青木大神・猿彦大神:肩こりの神様
梅鶴大神・福玉大神:胃の神様、白永大神:婦人病の神様、豊葦大神
森高大神:目の神様、春永大神:目の神様、春吉大神:目の神様
御朱印
通常の御朱印です。
古い神社の押印を再現した御朱印になります。
御朱印は社務所でも2種類ある旨を表示してくれています。
また、訪問時は紙だけの授与でした。
その他、葛餅(くずもち)もお分け頂けるようです。
住所・地図
地図・住所
〒594-0081 大阪府和泉市葛の葉町1丁目11−47
行き方
JR北信太駅で下車し、西口を出ます。
そうすると、目の前に大きな鳥居があります。
奥にも鳥居が見えますね。
上記での奥の鳥居です。こちらを真っすぐ進むと信太森葛葉稲荷神社に辿り着きます。
ONE MORE
旧府神社-白狐化石
徒歩で10分ほどの場所にある、旧府神社(ふるふじんじゃ)の入口に白狐化石があります。
葛の葉物語にて狩人に追われた白狐が逃げる途中に、石の奥に隠れた、もしくは石に化したともいわれています。
住所
〒594-0006 大阪府和泉市尾井町2丁目3−41 旧府神社
最後に
信太森葛葉稲荷神社をご紹介しました。
今回は旧府神社(ふるふじんじゃ)の入り口に置かれている、
白狐化石も併せてご紹介させて頂きました。
葛の葉姫が若宮とされていることが引っ掛かりました。
若宮と言えば、恨みをもって亡くなったとされる場合が多いと聞きます。
悲しい別れの伝説が関係しているのでしょうか。
では、皆様にもよいGOENを!
そして、1日でも早く旅と写真が楽しめる日が来ることを!
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