はじめに
とある平日にお休みを取って、夕方のニュースを見ていた時のこと。
投稿者から寄せられた、疑問の答えを探すコーナーがありました。
そこに出てきたのは、口紅みたいな石の棒は何か?という問いです。
私のブログでは、昔の資料を出す、といったようなことはできませんが、
痕跡を含めて答えをご紹介したいと思います。
とある公園のとある謎
場所
先日の記事で紹介した、生國魂神社。
こちら、生國魂神社の隣の公園である「生玉公園」です。
正面の鳥居を見て、左側(南側)に位置しています。
野球のグラウンドが目印です。
奥に進みます。グラウンドの右側の道を進みます。
突き当りまでくると、ベンチがありました。
少し高台になっており、景色を見ながら休憩できるようになっています。
公園の謎とは?
上記のベンチの場所から柵に沿って更に奥に。
そうすると、このような突起物が。
「口紅」のようなものが・・・というTV番組での投稿。
確かに、口紅の形に似ていますね。
知らないと、何故、このような物がここに?となりますね。
この公園の謎とは、この突起物が何のためにあるのか?
ということです。
下に降りてみて、正体を探る
では、正体を探ってみるために下に降りてみましょう。
スロープを下りていきます。
階段でも降りることができます。
2通りの道がありますね。
先ほどの口紅みたいな置物は、この写真の右奥になります。
ヒントはこちらです。
全体像はこちらです。
この上に、口紅のようなものが置かれていることになります。
いびつな感じで、コンクリートが積み重なっているようです。
横から見た写真はこちらになります。
さあ、これで推理することは可能でしょうか??
ちなみに、私が最初に思ったのは、「天空の城ラピュタ」で出てくる軍の要塞です。
場面としては、シータが連れ去られてロボット兵が目覚めたあの施設です。
さあ、答えはどうでしょうか・・・!?
タネ明かし
生玉公園に且つてあったものの正体とは?
私はイマイチ分かりませんでした。
皆さんは何か推理できましたでしょうか。
さあ、答え合わせです。
まずは、こちらの写真。何か気づきませんか?
さあ、アップです。
入口のようなものがあった跡があります。
答えは、
第二次大戦中の防空壕(兼、軍事施設)です。
そして、その施設の「排気口」
が口紅のような置物の正体です。
穴は塞がれているため、口紅のような形になっているようです。
なお、作成したのは大阪市、利用していたのは陸軍のようです。
第二次世界大戦中の大阪城近辺
生國魂神社は、少し離れているとは言え、大阪城周辺になります。
第二次世界大戦中、大阪城の近辺には「大阪砲兵工廠」というものがあり、
軍需用の工場が建設されていました。
これが、大阪大空襲の原因となりました。
(その反面、工場の技術者が民間企業に就職し、現在のダイキン、クボタ、ダイハツ、シマノ等の会社の技術力を底上げしたのも事実です)
現在、大阪城周辺でJR大阪環状線が高架を走っていないのは軍事工場があった関係だと言われています。(=上から工場内を見られないようにするため)
その流れから、第二次大戦末期にここに軍事用の防空壕を崖の地下に作られたようです。
実際には稼働しなかったようなのですが・・・。
先ほどの穴を入ると、崖にそって大きな空間が造られていたようでした。
なお、当防空壕を作成するにあたり、強制連行された労働者が従事していた、という記録もあるようです。
我々は、こういった悲しい記憶・過去をちゃんと知らないといけない、と感じました。
最後に
今では使われず、入口も塞がれた知られていない防空壕跡。
現代の生活は歴史の流れの中にあること。
それが知らず知らずのうちに失われていってしまうこと。
大切なことを、この防空壕は教えてくれた気がします。
良かったら近くに行かれた際に立ち寄ってみてください。
皆様にもよいGOENを!
そして、1日でも早く旅と写真が楽しめる日が来ることを!
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